「チロルのマスター」の愛称で知られる下村朔朗さん(66)のポスター展「下村朔朗・グラフィックデザインの世界」が二十八日まで、デザインギャラリー(宮下通十一、蔵囲夢内)で開かれている。

 下村さんは一九四四年(昭和十九年)旭川市生まれ。日大芸術学部卒業後、森永乳業に入社し、広報部に所属して同社のコマーシャルなどを手掛けた。 七〇年に帰旭、父親が経営する珈琲亭ちろるで働きながら、道立旭川美術館や旭川彫刻美術館で開かれる数々の美術展のポスターやちらし、チケットなどの制作 に携わった。

 今夏、七十二年の歴史を持つ珈琲亭ちろるが閉店したのを機に、市内の美術仲間たちが、グラフィックデザイナーとしての下村さんの足跡を振り返ろうと企画した初めての展覧会。

 会場には七五年(昭和五十年)に開いた、自身も参加したグループ展のポスターから、2010~11年に旭川美術館で開かれた「画家たちの七重奏」展まで、六十二点のポスターが展示されている。

 オープニングの十九日には、道立旭川美術館の井内佳津恵学芸課長とのギャラリートークが行われた=写真。下村さんは、「本人の記憶にないポスターもあります。コーヒーをいれながら、やって来ました。これだけ並ぶと、僕自身も感慨深いものがありますね」などと話していた。

 十八日まで。ギャラリーは、午前十時~午後六時。最終日は午後五時まで。