高桑整形外科永山クリニック主催の「マラソンセミナー二〇一一」が十七日、旭川ターミナルホテルで開かれ、ロス五輪体操競技の金メダリストで日本体操協会理事の森末慎二さんが「あくなき挑戦 がんばろう日本!がんばろう旭川!」と題して特別講演した。

 森末さんはロス五輪の体操・鉄棒競技で金メダルを獲得するまでをユーモアを交えて話した。「ロス五輪時代は合宿なども普通の旅館を借りて、五輪出 場の渡航費も自分で工面した」「体操競技のトレーニングは自分の体の重みを利用する。アキレス腱を切って入院した時、同じ部屋に入院した先輩・具志堅幸司 さんに習い、自転車のチューブを使って筋肉を鍛え、五輪に出場できる体を作ることができた」「ロス五輪では体が宙に浮いたような気持ちになり、会場の様子 がまったくわからないほど視野が狭くなった。鉄棒競技の一回目で十点満点を出した四日後、二回目の競技は三十九度の熱を出した中でおこなった。着地で失敗 すれば四位、十点満点で一位という緊張の中で、最高の演技をすることができた」と振り返った。

 そして「選手の力を引き出すには、ほめることです。五輪マラソンで銀メダルをとった有森裕子や金メダリストの高橋尚子は小出義雄監督にほめられて 一流選手になった」「『頑張って!』と言われると『これ以上、どうやって、頑張れと言うのか』と思った。『頑張れ』という言葉は上から目線になりがちだ。 だが、同じ目線で話し方によっては、大きな励ましにもなる」と話を締めくくった。 

 森末氏の講演の前、メディアフィット整骨院の松井浩二院長と健康運動指導士で、本紙の「旭川スポーツ&フィットネスフォーラム」の執筆者・荻野ひとみさんが、「走るためのコアトレーニング~コアを感じてみましょう~」と会場の参加者と実技をしながら講演した。