今年初めて開催された札幌モーターショー(十七~十九日)の「次世代自動車デザインコンテスト」で、道立旭川高等技術専門学院印刷デザイン科二年生の伊藤千晴さん(19)の作品が最高賞の金賞を受賞した。

 コンテストのテーマは「北海道の暮らしを支える次世代自動車」。十年後を想定し、積雪や雪氷路面といった地域特性に対応したEV(電気自動車)のデザインを道内の学生を対象に募集。四十八点の応募があった。

 伊藤さんの作品は、カエルを模した形をした二人乗りのコンパクトカー「KERO―Car」。雪が積もりにくい曲線のフォルムで、眼の部分が通気や 煙草の煙の排気口となっており、雪に埋まると後ろ足(後輪)を動かして脱出してくれるという、何とも可愛らしくユニークなデザインだ。

 「カエルが好きな友達がいて、カエルの形って面白いんじゃないかと思ったんです」と伊藤さん。足を動かして雪から脱出するというアイデアも「最近 雪が多くて、埋まってしまった時にカエルらしくピョンと雪から出られたらいいなあと思いました」と話す。身近な所にヒントを得ながら、友達とワイワイ楽し みながらデザインを考えたという。

 見事金賞を射止めた理由について、審査委員長を務めた澁谷邦男東海大学名誉教授(71)は「この車が行き交う冬の町の風景を想像すると、つい微笑んでしまうような楽しさや優しさが溢れているデザインだった」と評した。