東川町が文献の目録「大雪山から育まれる文献書誌集」を発刊した。同町が所蔵する大雪山に関する文献や書誌を、分類ごとに仕分けて一冊にした。


大雪山の最高峰旭岳を有する東川町は、多くの探検家や登山家が紀行文を残している。また植物や昆虫、野生動物、地質、開拓史、スキーなど多くの分野で調査研究がなされている。それらの資料や文献、写真集などは町内に所蔵されているが、保管場所が複数にまたがり、資料を調べる際はまず図書館やインターネットで保管場所を探さなければならなかった。

 同町は、平成二十五年度緊急雇用創出推進事業により、この目録の編さんをひがしかわ観光協会に委託。同協会が昨年八月から作業を進めてきた。文献資料のリストアップから始め、それをジャンルごとに分類した。

 今回収録された文献は三百四十五点。なかには文献一点が数十冊というものもあり、図書資料は千冊を超える。これらの資料は役場二階にある町史編さん室と文化交流館で閲覧が可能だ。

 発刊に至るまでには、旭川文学資料館副館長の東延江さんや山岳史家の清水敏一さん、自然環境研究室主宰の鮫島惇一郎さん、大雪と石狩の自然を守る会代表の寺島一男さんなど、大雪山にゆかりのある多くの人たちが参加。自身が所蔵する文献を寄贈するなどした。明治時代の文献や昭和初期の樹木分布地図など、希少な資料も多い。

 同町の担当者は「今回で全ての文献を収録できた訳ではありません。町ではこの事業を今後も引き続き行い、東川町ならではの厚みのある一冊にしていきたい」と話している。

 文献書誌集についての問い合わせは同町の企画総務課(℡82―2111)まで。