旭川市内の高校演劇部員でつくる劇団「氷点華」の第七回公演が三十日(金)午後六時半から、市公会堂で行われる。

 氷点華は旭北、旭西、旭南、旭凌雲、旭商、旭工、旭農、旭明成、旭藤女子、旭実の十校の演劇部員が結集した演劇集団。約九十人が在籍し、年に一回公演を行う。

 二月に実行委員会を設立して脚本を決め、劇団内でオーディションを行って三月末にキャストが決まった。上演する作品は「往生要集2014」。

 女子高校生のさつきが自殺をするところから物語りは始まる。さつきが、あの世とこの世の狭間で様々な体験をするというストーリー。キャストはもちろん、演出、舞台監督、大道具や小道具など全てを団員たちが担当する。

 練習を取材した。演出担当は、役者に対して容赦なく要求する。キャストも自分の意見をぶつけ、互いに熱い議論を交わす練習風景だった。これから本番までは通し稽古を交えて完成度に磨きをかける。

 旭川市内の中学校には演劇部を持つ学校はなく、どの部員も高校に進学してから演劇を始めている。また、氷点華のように各学校の部員が集まって一つの舞台づくりに挑戦するのは、道内では旭川のほかは釧路市と苫小牧市だけだという。旭川南高演劇部顧問の金箱牧夫教諭は「各校互いに刺激し合い、それが全体の底上げにもなっている」と話す。

 普段の教室ではおとなしい内弁慶の生徒が、いざ演劇となると豹変する、そんな個性的なタイプが多いのが演劇部員だそうだ。

 実行委員長の旭北三年の加藤翼さん(17)は「各学校をまとめるのは大変ですが、新たな発見や見習うところも多く、皆ひと回り大きくなった気がします。今回は『生きること』がテーマです。全力で取り組みます。ぜひご来場ください」と意気込みを話した。入場料は五百円(小学生以下無料)。