葬儀社の淤見(神楽五ノ五)が、シンプルな葬儀プラン「20プラン」「35プラン」を新たに設定した。前者は二十万円、後者は三十五万円で葬儀を執り行える。

 近年、核家族や単身世帯が増えたことから、葬儀の形態も変わってきた。家族葬をはじめ、通夜・告別式を行わず火葬のみを行う「直葬」が増加している。身寄りがない人を簡単な葬儀で送ってやりたいというニーズも増えてきた。

 こうした社会変化を受けて、同社はこれまでパンフレットには掲載していなかった安価でシンプルなプランを、カラー写真を多用して視覚的に分かりやすくパンフレットにまとめた。

 最も安価な「20プラン」は、直葬に適したプラン。一~十人ほどの参列者を想定し、棺、骨箱、位牌、祭壇用供物・仏花、枕飾りなど火葬のために最低限必要なものがセットされている。式場には同社のホールや和室を使用する。

 「35プラン」は一般の参列を行わないことを想定した家族葬・親族葬用のプラン。20プランの内容に、遺影、自宅用後飾り祭壇、布張り棺などのほか、僧侶用の足袋・スリッパが追加される。十~三十人ほどの参列者を想定している。

 火葬場には、同社が所有する九人乗りの搬送車を使用することも出来る。乗り切れなければ、親族などが自家用車で火葬場に向かい、費用を抑える方法もある。

 また最近では、亡くなった本人は以前から施設に暮らしていて、家族は遠隔地に住んでいるというケースも増えた。こうした場合、自宅は遺体を寝かせる状態でないことが多々あるが、病院から同ホールの和室に遺体を搬送し、一晩寝かせることも可能だ。

 同社では近年、扱う葬儀の七割が事前相談によるものとなっている。淤見政儀社長は「ぜひ当社にということではなく、まずはご近所の葬儀社に相談するのが一番良いと思います。その上で不明な点、不安な点があれば、複数の葬儀社に聞いて、よく比較してください」と話している。