イタリアの食文化に詳しい料理研究家、北村光世さんが八月二十九日、共栄小学校(豊岡二ノ十、加藤広幸校長、児童数二百八十八)で、オリーブオイルなどイタリアの食材の長所を伝える調理実習を行った。

 六年生(五十二人)の総合的学習の時間の授業。子どもたちは一学期に日本の食文化について学習し、別の国と比較する対象として、イタリアの食文化について調べて壁新聞を作るなどしていた。

 北村さんは神奈川県鎌倉市の在住だが、イタリアにも住まいがある。青山学院大学で二十九年間スペイン語を指導。五十年前にスペインでオリーブオイルと出合い、後年、より洗練された味わいのイタリアのオリーブオイルに魅力を感じるようになった。

 共栄小の事務職員、野島ますみさんはイタリアの食を学ぶ集い「OISHI」を主宰している。以前から北村さんを講師に招くなどして交流があり、同校での授業開催につながった。

 この日作った料理は、オリーブオイルを使った「ライスサラダ」と、酢で味を付けた「湯むきミニトマト」。北村さんは「日本の料理と違って、イタリア料理の味付けには砂糖を使いません」などと両国の食文化の違いについて話しながら、実習を始めた。

 ライスサラダは、みじん切りした紫タマネギに塩と酢を加えて十五分ほど置く▽温かい白飯に混ぜて酢飯を作る▽オリーブオイルを加えて混ぜ、海苔とカイワレ大根で手巻き寿司にして味わう、という一品。子どもたちは「今まで食べたことがない味で、とても美味しい」などと感想を話していた。

 北村さんは「炭水化物にオリーブオイルを加えることによって、血糖値が上がりにくくなります。イタリア人はこうして食べ物を上手に組み合わせることで、健康を保つのです」「紫タマネギを使うことによってピンクの色合いが出て、より美味しそうに見えますね。おにぎりにしても美味しいですよ」などと説明した。

 子どもたちはミニトマトの湯むきも体験。ごく少量の酢をかけて味わった。北村さんは「ひと手間かけて皮を向き、ほんのちょっと酢をかけるだけで、普通のミニトマトが立派な料理になります」と教えた。

 授業を終え、子どもたちを代表して仙田優菜香さんが「ライスサラダはとても簡単で美味しく、家でも作ってみたいです」、菅野陽智くんが「トマトは好きではないのですが、この食べ方はとても美味しかったです」とお礼と感想を述べた。