八月二十九日朝、「サクラの木が、今ごろ花を付けているんですよ」と男性(64)からあさひかわ新聞に電話があった。

 カメラを手に教えられた現場に行くと、あったあった。永山一ノ五、宗谷本線を跨ぐ環状一号線の北旭川跨線橋の真下あたり。線路の防音壁に沿って植えられている数十本のサクラやカエデの木の中に、一本だけ薄いピンクの花を付けている木がある。

 夏の青空にくっきりと映えて咲くサクラ。でも、葉は茶色に縮れているものがほとんどで、健康な状態とは思えない様子。

 電話をくれた男性は「他の木も葉が枯れたりしていますから、木にとって、ここは良い環境ではないのかも知れません。樹木医に聞いたところ、塩をかぶったサクラが時期外れに花を咲かせたのを見たことがあるそうです。でも、旭川で今の時期に花を咲かせた理由については、はっきりしたことは分かりません。もしかすると、このサクラの木は寿命を終えるので、子孫を残そうと花を咲かせたのかも…」と心配そうに話していた。