高齢・障がい者への接客セミナーで意識向上 和風旅館 扇松園 和風旅館扇松園(高砂台三)で八日、高齢者や障がい者を接客する際のセミナーが行われた。同旅館の接客係や清掃スタッフ、料理人など十五人が受講した。

 講師は、カムイ大雪バリアフリー研究所(只石幸夫代表)のスタッフ五人。そのうち三人は日常で車椅子を使用している。障がいがある人が不便と感じる施設や、不快に思った接客対応などについて話した。

 当日は、高齢者や視覚障がい者、車椅子利用者の目線に立ってもらうため、車椅子のほか、高齢者の不自由さを体感する「高齢者疑似体験キット」が用意され、全員が体験した=写真。

 講師の一人、五十嵐真幸さん(28)は「私は車椅子に乗っていますが、自分の足で立つことは出来ます。しかし、立つことが出来ない車椅子利用者もいます。障がいを持っている人の“出来る範囲”はそれぞれ違うので、先ずは声を掛けることが大切だと思います。また、電話での問い合せには、施設内のバリアフリー化されていない部分を伝えると、お客様自身が判断出来ます」と話した。

 フロント係の高橋彩さん(23)は「以前、介護の仕事をしていましたが、今回学んだサービス業としての対応とは違うものだと感じました。直接お話を聞いたり、疑似体験を通して、高齢者や障がいがあるお客様の目線に立つことができました。今日の経験を活かして、お客様をしっかりとサポートしていきたいです」と話していた。