すべては川の自由のために
札幌で「ダムネーション」上映会 「役立たずのダムを取り壊せ」――。発電や灌漑、治水のために必要とされたダムを「撤去する」という選択肢を提示し続けた人間たちのドキュメンタリー「ダムネーション」(二〇一四年・米国・九十四分)の上映会が五月九日、札幌プラザ2・5(札幌市中央区南二ノ西五/狸小路五)で行われます。北海道自然保護協会の主催。

 七万五千基のダムがあると言われる米国で、「ダムを建設し続けること」が主流だった五十年前から、「ダムを撤去する」に移り変わって来た現代まで、さまざまな活動家に焦点を当てて追いかけるドキュメンタリーです。

 ダムによる自然破壊は身近な問題です。例えば、道北の下川町を流れるサンル川では、治水の効果がさほど期待できないにもかかわらず、当初予算で五百数十億に及ぶダムの本体工事が始まっています。この川では、河口から二百㌔㍍もの距離を半年もかけて遡上して来たサクラマスの群れが自然産卵する姿が間近で見られる、日本でも残り少なくなった清流です。

 工事を進める国交省北海道開発局は、巨大な漁道を設置することでサクラマスへの影響を軽減できると主張していますが、過去の例を持ち出すまでもなく、サクラマスの子・ヤマベの激減は火を見るよりも明らかです。

 米国でのダム撤去への歴史を知り、学ぶことで、日本のダムの在り方を考えましょう。

 前売りチケットは千円(当日千五百円)。高校生以下は五百円。チケットは、あさひかわ新聞(八ノ六・℡27―1577)にもありますし、北海道自然保護協会(℡011―251―5465、℡011―211―8465、メールinfo@nc-hokkaido.or.jp)に前日までに申し込むと、当日会場で前売り価格で受け取れます。