旭川文学資料館(常磐公園内、市常磐館)で「旭川ゆかりの文学者 三好文夫・小野寺与吉、愛山渓・山の村展」が開かれています=写真。

 作家・三好文夫(一九二九年~七八年)と詩人・小野寺与吉(一九三〇年~二〇一一年)、そして二人が深く関わった上川町愛山渓の「山の村」にスポットを当てた企画展です。

 三好は旭川の文芸誌「冬涛(ふゆなみ)」「愚神群(ぐしんぐん)」などにアイヌの在り様を追求する作品を発表し続け、「重い神々の下僕」(一九六五年)で第五十三回直木賞の候補になりました。大雪山を愛する全国の仲間とともに、愛山渓温泉にある愛山渓倶楽部を拠点に「山の村」を作り、村長を務めましたが、四十八歳の若さで急逝しました。

 小野寺は旭川師範学校在学中から詩作を始め、詩誌「ATOM」「フロンティア」の創刊に関わりました。「山の村」のメンバーの一人で、混声合唱曲「北の大地」(團伊玖磨作曲)や「ふるさとは遠い北国」(飯田三郎作曲)を作詞しました。

 二人の著書や生原稿、作品掲載誌、写真、新聞記事など約五百五十点を展示しています。期間中、「山の村」のメンバー・江口建二さん(江口日曜堂店主)が撮影した八ミリフィルム映像「三好文夫最後の三日」も視聴できます。

 併せて二人と関係の深い、愛別町の安足間(あんたろま)の文化活動も紹介しています。

 八月一日(土)午後一時半からは、同館第二展示室で、大雪山国立公園パークボランティア連絡会会長の黒田忠さんが「愛山渓の自然を歩く」と題し、スライド映像を交えて講演します。

 八月二十九日(土)まで。開館は午前十時から午後四時。休館日は日・月曜日と祝祭日。入場は無料です。