川端康成の「雪国」の朗読会が二十三日(火)午後五時半から、まちなかぶんか小屋(七条買物公園)で行われます。

 朗読者は酒谷茂靖さん(71)です。「雪国」の有名な冒頭文を含む「夕景色の鏡」と、それに続く「白い朝の鏡」の章を読みます。

 酒谷さんは三年ほど前から旭川や札幌で朗読会を開いていて、泉鏡花や菊池寛など日本の文豪の作品を取り上げています。「川端の作品は、何気ない一行が心に響き、一行で彼の世界観を表しているところが好きです。昔の作家は、声に出して響きが良い文章を書くように心掛けていたと思わされます。それに対して現代の作家の作品は黙読することを前提に書いているように思います。朗読会では、日本語が本来持つ音の美しい響きを、ぜひ味わっていただきたい」と来場を呼び掛けています。

 会場には、川端が「雪国」の文章を筆字で綴った布張りの本「雪国抄」(復刻版)も展示されます。

 参加費は茶菓付きで五百円。問い合わせは風樹舎(TEL090―1300―0487)へ。