米国人の詩人、アーサー・ビナードさんの講演会が十一日(月)午後七時から、サンアザレア(旭川建設労働者福祉センター・六ノ四)で行われます。市民グループ、チーム今だからの主催。

 ビナードさんは、一九六七年米国ミシガン州生まれ。大学の卒論を書くときに漢字や日本語に興味を持ち、一九九〇年に来日。日本語学校の教材だった小熊秀雄の童話『焼かれた魚』を英訳したのがきっかけで、詩作、翻訳を始めました。現在は、詩人、エッセイスト、絵本作家、ラジオのパーソナリティなど多彩な活動を展開中。徹底した反原発、強固な護憲論者としても知られます。

 旭川との関わりは、小熊秀雄賞の縁。二〇一二年(平成二十四年)から、選考委員(四人)を務めています。今回も第四十九回小熊賞の最終選考会のために来旭し、依頼を受けて講演します。

 演題は「アーサーの憲法のはなし」。昨年九月、あさひかわ新聞のインタビューで、ビナードさんは「生きた憲法があると、こんなに使えるんだ、権力の暴走に歯止めをかけることが可能なんだって、そういう体験ができてよかったと思う。だから日本国憲法が潰されるなんて、絶対に止めなきゃ」と話しました。

 言葉に極めて鋭敏な感覚の持ち主、日本国憲法を深く理解し、日本人よりも正しい日本語を操るビナードさんが、いま危機にさらされている憲法について何を語るのか、改憲論者も耳を傾けるべき話です。

 前売りチケットは、八百円(当日千円)、大学生以下は無料。こども冨貴堂(七条買物公園・TEL25―3169)で扱っています。

ビナードさん講演 「21世紀に生きる今野大力」

 アーサー・ビナードさんによる、旭川ゆかりの詩人・今野大力の没後八十周年を記念する講演会が十日(日)午後二時から、市勤労者福祉会館(五ノ四)大会議室で行われます。

 「二十一世紀に生きる今野大力」と題して話します。実行委員会(佐藤比佐良委員長)の主催。

 今野大力(一九〇四―一九三五)は戦争へと突き進む時代の中で、平和な社会を夢見ながら、詩を書き雑誌の編集などに打ち込みましたが、治安維持法による弾圧の下、三十一歳で夭逝しました。

 今野と小熊秀雄は親しい友人でした。小熊と同じく、常磐公園に詩碑が建立されています。

 参加料は五百円。問い合わせは、道北勤医協友の会の高野さんか曽我部さん(TEL33―0854、FAX34―2197)へ。