北海道地図(台場一ノ二)が熊本県の地図をインターネット上で無料で公開、配布している。地震被災地の支援や復興に関わる自治体や企業、市民ボランティアに利用してもらうのが目的だ。

同社は一九五七年(昭和二十八年)創業。旭川に本社を置き、全国十五カ所に拠点がある。独自のシステムを用いた日本全国の地図をはじめ、ジオパークの普及のための製品や、自治体のハザードマップなども製作し、国内外で評価されている。
同社は二〇一一年の東日本大震災の時、関東圏の自治体からの要望を受けて、被災地域の地図を無料で公開、配布した。当時は被災地周辺や関東圏の書店で地図が品切れになったこともあり、設備さえあればどこでも閲覧、印刷が可能ということで多くの需要があったそうだ。
同社の関洋祐さん(47)は、「災害現場では衣食はもちろんのこと、現場の地理を把握することも重要です。地図製作会社として出来ることをしたいという思いです」と話す。近年はインターネット上で観覧可能な地図もあるが、「誰でも、複数人でも見られる。紙に勝るものはないというのが私たちの意見です」と関さん。
地図は縮小・拡大や地域ごとに分けて印刷することが可能で、AI(アドビ・イラストレーター)形式のデータでは道路や河川、公共施設など必要な情報だけを表示させることもできる。
地図は同社のホームページ(http://www.hcc.co.jp/information/info/kumamoto-earthquake.html)でダウンロードできる。熊本市周辺(縮尺五万分の一)と熊本市南区周辺(縮尺二万五千分の一)の二種類あり、サイズはA0版(一一八九×八四一㍉)。メールフォームから所属・氏名、利用目的・媒体、使用するエリアを送信し、クレジットと承認番号を記入すると利用できる。
問い合わせは同社(℡61―5531)まで。