新市庁舎整備をテーマにした「まちづくり対話集会」が六月二十七日、旭川市役所で行われた。建築家の専門家らがメンバーとなっている「赤レンガ市庁舎を活かしたシビックセンターを考える会」(代表・大矢二郎東海大学名誉教授)の十六人が参加。市からは西川将人市長のほか、総務部長、総合政策部の担当者らが出席した。

 大矢代表は「戦後の歴史を物語る建築物として、保存すべき建築の代表格に挙げられるのが旭川市総合庁舎。解体する計画の総合庁舎を保存し、活用を」と訴えた。

 市は今年六月、新庁舎の工期を二期に分け、二万三千平方㍍の第一期棟を総合庁舎と文化会館の間に建設、現総合庁舎を解体した後、新文化会館をその跡地に建設し、その後、第二期棟を文化会館跡地の一部に建設する案などを盛り込んだ「新庁舎建設基本計画骨子」を公表した。

 これに対し、考える会は、「一九五八年に建設された総合庁舎は、旭川ゆかりの建築家・佐藤武夫の設計。地域性を豊かに表現する庁舎として高い評価を受け、竣工の翌年、我が国の建設賞としては最も権威のある日本建築学会賞を受賞した」「二〇〇三年には近代建築の調査、保存のための国際組織DOCOMOMO(ドコモモ)による、我が国の重要な近代建築百選の中に、道内の公共建築物としては唯一、選定された」と総合庁舎の歴史的、文化的価値を高く評価する。

 脆弱とされている耐震についても、「やや特殊な計算方式を採用しており、その結果、極端に低い数値となっている。一九六三年と二〇〇三年の二度、最大震度四の地震に見舞われた。その時点で柱は梁(はり)に何らかの損傷が生じていてもおかしくないが、そのような痕跡は認められない。改めて耐震診断を行い、最終的判断を下すべき」と主張している。

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