旭川在住の陶芸家、工藤和彦さん(46)が九月十五~十七日、ニューヨークで行われる和食器の展示会に参加する。

 東京の食器専門店、暮らしのうつわ花田(千代田区、松井英輔社長)が経済産業省の「JAPANブランドプロデュース支援事業」の補助金を得て行う「花田 五人展 in NY」に出展する。会場はニューヨークの中心部、マンハッタンのレキシントンアベニューにある和食器の店SARA。日本人が経営している。五人の陶芸家のうち工藤さんだけが期間中、在廊する。

 工藤さんが海外で自身の作品を展示するのは、二〇一三年のフランス・リヨンに続いて二回目だ。今展には大皿、片口、抹茶碗など約三十点を展示する予定で、多くは工藤さんが昨年築窯した薪窯で焼成した作品。今月下旬に薪窯で焼く新作も出展する。価格帯は四万円~十万円ほどだ。

 アメリカ本土に渡るのは初めてという工藤さん。ニューヨークで文化や価値観の異なる人たちにどう評価されるのかがとても楽しみだと意気込んでいる。「日本の文化は禅からお茶やお花へとつながっていますが、その背景には自然への畏敬があります。そうではなく“自然は克服するもの”と考える人たちに、私の作品がどのように映るのか知りたいです」と話す。

 工藤さんは今後も年に一回程度のペースで海外での展示を行う気持ちがあり、今展を一つの足掛かりにしたい考えだ。「海外での展示は、輸送費の面もあり採算性は良くありませんが、私の作品をどんな人に見てもらえるのか、どんな反応があるのか、挑戦する価値があります。積極的にチャレンジして行きたいですね」と話している。