元慰安婦たちのドキュメンタリー「〝記憶〟と生きる」(二〇一五/日本/第一部七十二分、第二部七十五分)の上映会が十一月三日(木・祝)、サンアザレア(六ノ四 建設労働者福祉センター内)で行なわれます。チーム「今だから」の主催。

 中東情勢をはじめ世界中の取材をしているジャーナリスト、土井敏邦さんが撮影、監督しました。土井さんは一九九四年(平成五年)から二年にわたり、元慰安婦たちが暮らす「ナムヌ(分かち合い)の家」で六人のハルモニ(おばあさん)たちの生活を記録しました。

 第一部は、「ナムヌの家」に暮らす五人の女性たちを記録しています。過去を忘れるために酒が手放せない女性、息子に過去を知られ悩み苦しむ女性、戦後に結婚できず孤独に生きる女性…消せない過去に苦しむ彼女たちの日常生活とともに、それぞれが「慰安婦」の記憶や戦後の人生を、日本人である土井さんに語ります。

 第二部は、「ナムヌの家」最年少の姜徳景(カン・ドクキョン)さんを記録しています。姜さんは女子挺身隊として富山県の工場に渡るも、貧しい生活から脱走。憲兵に強姦された末、慰安婦となり、終戦後、望まない子を宿し帰国しました。波乱の人生を絵で表現する彼女が、末期がんで亡くなるまでの二年間にカメラを向けています。

 この作品は「慰安婦問題の解説」でも「史実の検証」でもありません。慰安婦問題の議論では見えてこない個々人の顔と声を、ありのまま伝え残すことを目的としています。登場する「ナムヌの家」の女性たちはすでに全員が他界しています。

 上映は①午前十時、②午後二時、③午後九時の三回。

 前売りチケットは、千円(当日千二百円)、大学生・障がい者五百円。高校生以下は無料。一回目だけ託児があります(要予約)。

 チケットの購入と問い合わせは、こども冨貴堂(七条買物公園・TEL25―3169)、きっちんらいる(鷹栖町十六線八号・TEL87―5046)まで。