「鹿児島のような暖かいところでしか育たないと思っていたので、正直、ちょっと驚きました」と、市内東鷹栖で農業を営む黒川千代子さんが手にするのは、桜島大根。

 黒川さんと伊東ヨリ子さん、中原光子さんの三人は、夏の間の毎週火曜日に、あさひかわ新聞の駐車場で開く「夕市」で、自家用に作った野菜を販売している農家の主婦だ。

 黒川さんが、顧客の一人から「友人からもらった種だが、育ててもらいたい」と依頼され、ダメもとで植えたところ、十数粒のうち二個だけが大きく成長したという。

 大きな丸い形のイメージがある桜島大根とはかなり違うが、直径二十㌢、長さが四十㌢ほどと、私たちが普段目にする大根の三倍ほどの大きさだ。

 黒川さんは「食べたことがないので、どんな料理に合うのか分かりません。寒いところで育ったので、味の方はどうですかね」と心配顔で話していた。