新酒の仕込みが始まり、年末年始に向けて酒蔵に活気が溢れる季節。髙砂酒造(宮下通十七丁目)では、毎年恒例の菰樽づくりが行われている。

 菰樽は輸送の時に酒樽の破損を防ぐ目的でマコモやワラを編み込んだ〝菰〟を巻きつけたのが始まりと言われる。近年では新たな出発や区切りに際し、健康や幸福を祈願する「鏡開」で使われることが多く、年末年始の注文が一番多い。今年は、昨年並みの百二十樽の出荷を予定している。

 樽は四斗、二斗、一斗の三種類。作業は、秋田県から仕入れた杉樽に熱湯を入れて一晩寝かせ樽の渋を抜き、翌日に水洗い、樽を化粧菰で巻き、わら縄で締め日本酒を入れて完成だ。菰樽作り十四年のベテラン臼田博さん(67)と、昨年から担当になった海馬康敬さん(37)の二人の蔵人で全ての菰樽を作る。

 この日は四斗樽を化粧菰で巻き、わら縄で菰樽を締める仕上げの作業が行なわれた。今年は準備段階から任せられている海馬さんは「とにかく巻いた数が経験となって上達していくので、一つでも多く巻いて、もっともっと綺麗に仕上げられるよう頑張ります」と笑顔で話していた。

 作業は年末まで行なわれ、市内を中心に全道に出荷される。問い合わせは髙砂酒造(TEL23―2251)まで。