東京電力福島第一原発の爆発事故によって外で遊べなくなった子どもたちを鷹栖町に招く活動を二〇一一年夏から続けて来た「チームあったかす」(松下理香子代表)の写真展が三十一日まで、こども冨貴堂(七条買物公園)のギャラリー・キッズで開かれている。

 鷹栖町で「森のようちえん ぴっぱら」を運営する松下さんは、フクシマ原発事故の後、放射能汚染のために外で遊べなくなってしまった子どもたちに、「一時でもいいから、思いっ切り遊んでもらおう」と考えた。町内の有志たちと相談し、大急ぎで準備を始めて、二〇一一年夏、郡山市を中心に三十五人の子どもを受け入れた。

 以後、鷹栖町と旭川の約五十人でつくる「チームあったかす」は、試行錯誤を繰り返しながら、六年に渡って夏の一週間、子どもたちを招き、子どもの生活リズムに合わせて、外で思い切り遊んでもらう「ふくしまキッズ イン たかす」を継続してきた。鷹栖で「保養」した福島の子どもは延べ百七十三人にのぼる。

 十二日、福島の子どもたちの六年分の写真が壁いっぱいに展示された会場で開いた「お話会」で、松下さんは思い悩んだ日々の一端を打ち明けた。

 「最初の年、六年生の子が『大人のことが信じられなくなった』と言った。その言葉が忘れられない。そう言わせてしまった大人の一人として、やり切れなかった」

 「彼らが大人になる時に、家族以外にも自分を気にかけてくれる人がいるんだと思ってくれれば、それが価値観の一つになってくれれば、心の片隅にあってくれれば、いいと思う」

 松下さんは、七年目の今年、「ふくしまキッズ イン たかす」の実施を迷っている。福島で子どもを育てる親たちは、たくさんの矛盾の中で生きている。そのことを伝えるのも自分の役目かな、とも思う。でも、その矛盾と向き合うことが辛い。そんな「チームあったかす」のメンバーの、複雑な気持ちを知ってもらうのも、この写真展の目的だ。

 入場無料。三十一日(金)まで。こども冨貴堂(TEL25―3169)は、午前十時から、午後六時まで開店している。