市内の中学生が中国の伝統芸能、京劇を観賞する「学校コンサート」が二十日午後、市民文化会館大ホールで行われた。

 中国の文化部(日本の文部科学省に相当)直属の「中国国家京劇院」が出演。同日夜の本公演(民主音楽協会主催)を前に、市内の中学校十三校、千四百七十八人の生徒が招待を受けて観劇した。

 演目の「金銭豹(きんせんひょう)」は西遊記のアクション劇。約四十分間にわたって京劇俳優たちがステージ狭しと飛び回った。孫悟空の宙返りをはじめ、妖怪役が操る武器「刺股(さすまた)」の見事な技、ぴったりと呼吸が合った役者たちの動きなどに、中学生は大きな拍手を送った。セリフは中国語だが、電光掲示板で日本語字幕が流された。

 終了後、ステージ上に整列した京劇俳優を前にして、生徒代表の二人が感謝の言葉を述べた。遠山圭介くん(神楽中三年)は「想像以上にスケールが大きく、驚きました。日本の歌舞伎と比べても迫力があり、リズミカルで楽しく、良い思い出になりました」。島田菜緒さん(西神楽中三年)は「西遊記は知っていましたが、悪役が主人公という設定は新鮮で、とても面白かったです。次の機会があったら、少しでも中国語を勉強して、京劇を楽しみたいと思います」。通訳を介して二人の言葉が伝えられると、俳優たちは拍手で応えていた。