旭川市内の高校演劇部員が集まって一つのステージを作り上げていく「劇団氷点華」の公演が二十七日、市公会堂で行われる。十回目となる今年は、二〇一三年の高校演劇全国大会で文化庁長官賞(優秀賞)を受賞した長崎丸子修学館高校演劇部の作品「K」(フランツ・カフカ作「変身」ほか原作、脚色・同高校演劇部)を上演する。

 市内十校から約百人が参加している。生徒たちが台本を選び、自ら主体的にステージを作り上げていく舞台だ。三月に台本会議を開き、上演作品を決定。キャスト、製作、衣装、大道具、音響、照明の各セクションに生徒を配置し、キャストオーディションを経て、四月から土・日曜日に活動している。五月に入ると、ほぼ毎日、放課後に集まって稽古を続けている。

 作品はユダヤ人作家フランツ・カフカの「変身」、「審判」、「城」や、カフカ自身が父親との距離を縮めるために送った原稿用紙百枚を超す「父への手紙」などを基に、劣等感を抱える青年の苦悩や親子愛、小説の不条理な世界を表現している。カフカの世界観を高校生たちがどう表現するか、興味深いステージになりそうだ。

 主人公のカフカを演じる野口翔大さん(旭農三年)は「自分とは逆の存在なので、どう演じるか難しいです。メリハリのある演技をして、お客さんに表現していきたいです」と意欲的に話す。

 実行委員長の脇田佑樹さん(旭実三年)は「責任感を感じています。悔いの残らないようにやりきりたいです。一人でも多くの方に観てもらいたいです」と来場を呼び掛けている。

 当日は午後五時半開場、同六時開演。入場料は五百円(小学生以下は無料)。チケットはギャラリープルプル、まちなかぶんか小屋で扱っている。問い合わせは旭川農業高の上野教諭(TEL48―2887)まで。