「建築を永く使い続けること」をテーマに、道内の近・現代建築物のリノベーションの実例を紹介する展示会が七月二日(日)まで、JR旭川駅の中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館ステーションギャラリーで開かれています。日本建築家協会北海道支部旭川地区会などの主催。

 二十一日から始まる第十回国際家具デザインフェア(IFDA)の開催に合わせた企画です。家具と同様、建物もリノベーションし、永く使いつづける大切さを、道内の具体的な実践例の図面、写真、模型などで展示しています。

 旭川市市民活動交流センター(旭川市宮前一ノ三)や旭川公会堂(旭川市常磐公園内)、蔵囲夢(旭川市宮下通十一)、東川町文化芸術交流センター(東川町北町)、蔵ら(愛別町本町)、北菓楼札幌本館(札幌市中央区)、丘のまち交流館(美瑛町本町)、黒松内町立黒松内中学校(黒松内町)の八つの建物について、リノベーションでどのように生まれ変わったかを紹介しています。

 市民活動交流センターの二棟は、ともに明治期に建設された、北海道官設鉄道技師・田邊朔郎の設計による鉄道用施設です。現在の市民活動支援棟は鍛冶工場、ホール棟は旋盤工場でした。一九九八年に着工した駅周辺開発事業「北彩都あさひかわ」の中で保存・活用が検討され、二〇一〇年に現在の形に改修されました。登録有形文化財(文化庁)や近代化産業遺産(経済産業省)に指定され、二〇一四年度旭川市景観賞を受賞しています。

 このほか特別展示として、「六冬の群像―市庁舎の境界を解く」と題した旭川市庁舎リノベーション案の模型や旭川総合庁舎構造模型、旭川市総合庁舎耐震補強案模型などが展示されています。