二〇一四年七月に急逝した岩田道夫さんの軌跡展が十八日から三十日まで、デザインギャラリー(宮下通十一)で開かれます。
 岩田さんは一九五六年(昭和三十一年)、網走市生まれ。北大理学部を中退し、絵画や童話、詩の創作に専念。八九年、札幌から旭川に移り住み、旭川の自然を題材にした作品を数多く書(描)きました。特にアイヌ民族の聖地とされる嵐山に心惹かれ、たくさんのチノミシリ(アイヌ語で、我ら・祭る・山)を題材とした作品を残しています。

 絵画は油彩をはじめアクリル、水彩、ペン画など、ほかに陶板、消しゴムアートなど多様な作品を残しました。散文詩集『雲の教室』や詩集『ミクロコスモス・ノアの動物たち』、詩画集『チノミシリ』などを自費出版し、九二年に『雲の教室』で日本児童文芸家協会新人賞を受賞しました。

 今展では、絵画のほか、消しゴムを使ったアート作品など数十点を展示します。

 この軌跡展に合わせて、九八年から制作を始めた『常磐公園地図集』(二十七枚組・ぷねうま舎出版・税込み三千五百円)も出版されました。八九年から二十五年間、常磐公園に隣接するマンションに住み、毎日のように常盤公園を散策して誰も気付かない常磐公園を詳細に描いています。常磐公園の樹木・倒木・落葉・マンホール・木の実・七不思議・冬・雪解け・春の花などを題材に、A3の紙二十五枚に細かく描いています。三百部を作成し、販売します。希望者はファクスかメールで申し込んでください。

講演会と演奏会も

 軌跡展の期間中、同会場で、講演会とシンセサイザー演奏会も開催します。

 十八日(火)午後六時から、宇宙物理学者の佐治晴夫さんが「現代の宮沢賢治 岩田道夫」と題して話します。世界的な学者として知られる佐治さんは、岩田さんの人となりや作品を高く評価していました。講演時間は約一時間です。参加費は千五百円。希望者はファクスかメールで申し込んで下さい。

 二十三日午後一時から、岩田さんと長年親交のあった音楽家・佐々木義生さんが、岩田さんに捧げる曲「風・雲・道と空」をシンセサイザーのソロで演奏します。入場は無料です。

 地図集と講演会の申し込みは、ぷねうま舎事務局・村田さん(FAX 22―3567、メール kazukomurata0718@gmail.com)へ。

 問い合わせは、同(TEL080―5581―3367)へ。