旭川ゆかりの詩人小熊秀雄の名を冠した同賞は、今年五十回目だった。現代詩集の公募賞として国内の詩人たちの憧れの賞になっている。賞の存続が危ぶまれた二〇〇八年、市民実行委員会が運営を引き継いでから、十人の詩人に正賞の「詩人の椅子」が贈られている。

 実行委は、賞の五十回、併せて運営を引き継いで十年を記念して、十人の受賞詩人が、受賞した詩集の中から「これぞ」と推す詩をまとめて受賞詩集詩撰『しゃべり捲くれ』を刊行した。「しゃべり捲くれ」は小熊の代表的な詩の一つ。

 市教育委員会で行われた贈呈式には、橋爪会長、氏家正実運営委員長ら三人が訪れ、赤岡昌弘教育長に『しゃべり捲くれ』を手渡した。

 橋爪会長は、「子どもたちが、一生懸命に正義を、人の真実の心や言葉を伝えようとした小熊の精神を感じてくれたらと思います」と話した。

 小熊秀雄賞受賞詩集詩撰『しゃべり捲くれ』は、こども冨貴堂、旭川冨貴堂各店、ジュンク堂書店で扱っている。千二百円(税別)。