美瑛町在住の現代書家・萌春留加(本名・菊地香)さん(47)の書展「美瑛を描く」が九月三日(日)まで、美瑛町の丘のまち交流館ビ・エール(本町一)で開かれています。

 神奈川県鎌倉市出身の萌さんは、幼稚園の時に書家の町春草(まちしゅんそう)さん(故人)の門下で書道を学び始めました。イギリス留学中に訪れた美術展で、日本文化の影響を受けた外国人の作品に遭遇。日本文化の素晴らしさに気付き、「得意な書道で日本文化を伝えることはできないか」と帰国後、師範の資格を取得して書家としての活動を開始します。

 国内外で個展を開く萌さんの書く文字は、ベルギーチョコレートのパッケージデザインやイタリアのアイスクリーム店のディスプレイにも採用されました。また、女優杉本彩さんのアルゼンチンタンゴショーで舞台美術や衣装を担当したり、ジャズピアニスト守屋純子さんのエッセー集の題字を書いたりするなど、さまざまな分野とコラボレーションを展開しています。

 北海道とのつながりは、鎌倉での個展に来た留萌管内の人との交流に始まります。雅号の文字が含まれている「留萌」という地名を知ったとき、萌さんは不思議な縁を感じたそうです。増毛や羽幌での個展開催を経て、「北海道に住んで北海道をもっと知りたい」と思うようになったころ、美瑛町で地域おこし協力隊を募集していることを知り応募しました。今年四月から、町の経済文化振興課文化スポーツ推進室に配属され、町民センターで働いています。

 展示するのは、美瑛の自然や七月に開催された「那智美瑛火祭り」などを表現した作品五点。四月ごろから制作し、大きいものは縦一㍍横は四~五㍍ほどになります。「美瑛で生活する今の気持ちで表現したいものを書きました。何かを感じ取っていただければと思います」と話しています。

 入場無料。午前十時から午後七時。二十八日(月)は休み。問い合わせは丘のまちびえい活性化協会(TEL92―5677)へ。

 九月二日(土)午後二時からは、同会場で書道パフォーマンスも予定されています。