地域の新しい資金源の活用と協働に関する意見交換会が一月三十一日、市民活動交流センターで行われ、NPO法人や行政、金融機関などの関係者十五人が集まった。

 公益財団法人・地域創造基金さなぶり(仙台市)専務理事の鈴木祐司さんが、全国に広がりつつある「コミュニティ財団」について解説し、参加者から意見や感想を求めた。

 コミュニティ財団はアメリカが起源。地域社会に関心を持つ市民で構成される公共的な社会貢献機関で、個人や企業、団体などから寄付、遺贈された基金を管理する団体で、現在全国に三十八の組織がある。

 地域創造基金さなぶりもその一つ。東日本大震災を契機として創設され、東京圏の企業と中小企業の補助金など約十七億円の資金を集め、非営利・復興支援事業として、岩手県や宮城県、福島県、福島からの県外避難者受入地域を対象に、三百五件へ資金を提供するなどの活動を行っている。

 鈴木さんはコミュニティ財団の重要な役割に、①地域社会のための資産形成、②地域に合わせた資金・資源の提供、③新しい仕組みの創出など地域におけるリーダーシップの三点があると説明した。

 資金を集める方法として、自治体と財団が共同で行うガバメント・クラウドファンディングについて、佐賀県の例を紹介。高齢者が自分の財産を次世代のために寄付をする遺贈寄付についても、「財団は、その人の意向に沿った資金の活用が可能だ」と話した。

 参加したNPO法人関係者は「活動資金を集めるにしても、我田引水ととらえられる。コミュニティ財団のような仲介してくれる組織があると有り難い」、金融機関関係者は「透明性がなにより重要。資金の流れがどうなっているか、明らかにしておかなければならない」、行政関係者は「行政がどのように関わることができるのか、検討していきたい」との意見が出された。

 北海道でのコミュニティ財団設立について、鈴木さんは「道内に一つというより、北海道は広いので、地域で設立された財団が互いに連携し合い、将来的に一つの連合体になる、といった方向性が良いのかも知れません」と話した。