「北方領土を知るつどい」が一月三十日、道北経済センターで開かれた。旭川在住の元島民の講演や啓発DVD「われらの四島(しま)の思い出」の上映会を行い、北方領土への認識を深めた。

 北方領土復帰期成同盟上川地方支部の主催。広く一般住民の北方領土問題に関する理解と関心を高め、我が国固有の領土である北方領土の返還要求運動の推進に役立てるのが目的。

 つどいでは、歯舞群島の水晶島出身で同地方支部返還協力員会議の高塚正勝副会長(81)が講演し、啓発DVDを上映した。会場には一九四五年(昭和二十年)以前の北方四島の写真パネルが展示され、署名コーナーも設置された。

 高塚さんは、「終戦前の島と自由訪問で見た島の現況」と題して、戦前の生活風景、ソ連兵が侵攻してきた時の様子や命がけで日本に戻ってきたこと、そして戦後になって訪問した故郷の変わり果てた様子などを語った。「二年ぐらいソ連兵と暮らしました。その後、日本に帰ってきましたが苦労しました。この機会に、北方領土への認識を深めてもらい、日本固有の領土ですから、一日でも早い復帰、返還を望んでいます」と訴えた。