美瑛町は昨年六月から、町を訪れる観光客の動向を調査するために、アンケート型のプレゼントキャンペーンを実施している。二種類あるアンケートに最後まで回答すると、期間中に三回抽選がある「Wチャンスプレゼント」の対象となる。

 「Wチャンス」の初回の抽選で、「美瑛産ジャガイモ一トン」が東京に住む大学院生の岩田桜子さん(23)に当たった。

 岩田さんは昨年八月に家族と旅行で美瑛町を訪れた際、キャンペーンに応募した。ジャガイモ一トンの当選を知らせるメールを受け取ったときは、「正直、詐欺ではないかと思った」という。

 「量が量でしたので、すぐにどこかへ寄付することを考えました」と岩田さん。母校の世田谷区立玉堤小学校をはじめ、若者の自立支援施設や子ども食堂など、つながりのあるところにジャガイモを寄付した。また、親せきや大学の研究室、アルバイト先、友人などにも配った。

 一月十九日、寄付されたジャガイモを使った豚汁が、母校の小学校の給食に出た。岩田さんと美瑛町政策調整課の佐竹正範課長補佐は学校を訪れて、子どもたちと一緒に給食の時間を楽しんだ。豚汁を食べた児童から「おいしい」と声が上がり、おかわりが進んだ。

 給食の時間を利用して佐竹さんは、町や基幹産業の農業について紹介した。凍ったシャボン玉の写真や一面雪に覆われた畑の写真、町内の農業者がドローンで撮影して畑作の一年をまとめた映像などを見せながら話すと、北海道は知っていても美瑛町を知らなかったという子どもから、質問が相次いだ。急きょ、給食の後の掃除の時間も使って質疑応答を続けるというハプニングもあった。

 佐竹さんは「インパクトのあるプレゼントを、ということで『一㌧』を思いつきました。一人では食べ切れないだろうから、寄付などで何か広がりができるだろうと期待していましたが、でき過ぎですね」と話す。「三月十一日まで応募できます。Wチャンスの抽選はあと一回。夏に比べてこの時期は観光客が少ないので、当たる確率が高いですよ」と笑った。

 キャンペーンの詳しい情報はホームページ(https://biei-fan.jp/jp/all.php)で確認できる。問い合わせは丘のまちびえい活性化協会(TEL92―5677)へ。