日本山岳会会員の高澤光雄さんの近著『深田久弥と北海道の山』(白山書房)の出版を記念する展覧会が大雪山ライブラリー(東川町北町一ノ一)で開かれています。

 高澤さんは『日本百名山』の著者として知られる深田久弥と約六十年前から親交がありました。著書は深田さんとの交流や追想を書いたものです。

 高澤さんは一九三二年(昭和七年)江別市生まれ。丸善札幌支店に勤務し、九二年に退職。高校二年生から登山を始め、六八年に札幌山の会設立に参加し、登山に励みました。日本山書の会、日本山岳文化学会の会員でもあります。

 展覧会には高澤さんが収集した、深田著の『翌檜』(昭和八年、江川書房)、『紫匂ふ』(昭和十六年、改造社)、『津軽の野づら』(昭和二十年、養徳社)など戦前の作品や、全集『ヒマラヤの高峰』全五巻・別巻(雪華社)、『ヒマラヤ名著全集』全十二巻(あかね書房)、『日本百名山』(新潮社)、『百名山以外の名山五〇』(河出書房新社)、『世界百名山―絶筆四一座』(新潮社)など、百五点を展示しています。手にとって読むこともできます。

 同展は三月十一日(日)まで。入場は無料です。開館時間は午前十時から午後五時。月曜日は休館です。

 二十四日(土)午後二時から、同会場で高澤さんの講演会があります。大雪山と関わるきっかけになった高校二年生の夏休み、旭岳から黒岳への縦走であわや遭難の危機を救ってくれた恩人たちや、深田さんの思い出などを語ります。一時間半ほどの予定です。