今津秀邦さん(49)が監督・撮影した映画「生きとし生けるもの」が日本映画撮影監督協会のJSC賞を受賞した。一日、祝賀会がマルウンホール(宮下十)で行われた。

 JSC賞は、一九九二年(平成四年)に創設。劇場用映画以外の映像が対象で、豊かな感性と技術成果を持つ撮影監督を顕彰する賞だ。短編映画、イベント用動画、テレビ映像、ドキュメンタリーなど幅広い分野にわたる多数の映像作品の中から、高度なカメラワークを評価するなどして受賞者を決定する。

 同作は、北海道に生きる動物を撮影した自然ドキュメンタリー。キタキツネ、ヒグマ、タンチョウ、オジロワシ、ナキウサギなど様々な動物のほか、サケやイトウなど水中の生きもの、また虫の姿もとらえている。映画の冒頭と最後に津川雅彦さんのナレーションが入っている以外、セリフがない。五年の歳月を掛けて撮影された。

 今津監督は、あいさつの中で「この作品の撮影は多くの人によって行われていて、私はその代表という立場です」と述べて、会場にいたカメラマンたちを壇上に上げて一人ずつ紹介し、その労をねぎらった。

 祝賀会には、約八十人が出席。発起人代表の伊藤友一・20パーセント社長(61)は「今津監督が日本一の賞を頂いたのは、旭川として誇るべきこと」との言葉を交えて挨拶した。原田直彦・旭川信金理事長と藤田哲也・カンディハウス社長が祝辞を述べた後、同作に人間として唯一出演した絵本作家のあべ弘士さん(69)による祝杯の発声で開宴。今津さんを囲んで祝福のひと時を楽しんだ。