旭川建設業協会二世会(生駒光宏会長)が、おかだ紅雪庭(五ノ十五)の屋根の雪下ろしを申し出て八日、作業を行った。

 同館は、「清酒北の誉」創設者の岡田重次郎氏の自宅として一九九三年(昭和八年)に建てられた建造物。正面玄関のステンドグラスや、大陸的な高い天井、美しい漆喰の壁など、岡田氏と職人たちのこだわりが散りばめられた邸宅だ。

 二〇〇九年(平成二十一年)には築八十年を前にして取り壊しの危機を迎えるが、有志が集まり「旧岡田邸200年財団」(髙橋富士子代表理事)を設立。二〇一二年(平成二十四年)には同財団が運営するそばと料理を提供する「おかだ紅雪庭」として開店。翌二〇一三年には国登録有形文化財に指定された。

 今年は、例年に比べ積雪が多いことから雪の重みよる建物の歪みが懸念され、髙橋代表理事が知人に相談。その話が生駒会長の耳に入り、さっそく現状を確認したところ一刻の猶予もないと判断。ボランティアとして同会から人員を募り、翌日の朝から作業をおこなった。

 髙橋代表理事は「本当に有り難いです。このまま雪を下さなければ建物を含め、本当に危険でした。私共の趣旨に賛同して頂き、こんなに迅速な対応をとって頂けるとは思っていなかったので、本当に感謝の言葉しかありません」と話していた。