会員制の観劇団体「旭川市民劇場」の四月例会が十日(火)午後六時半から、十一日(水)午後一時半からの二回、市公会堂(常磐公園内)で行われる。出し物は、茂山千五郎家の狂言、「清水」と「濯(すす)ぎ川」の二曲。

茂山千五郎家は、江戸初期から京都在住の狂言師の家として歴史に名を残し、現在も十四代・千五郎を中心に全国各地で公演している。茂山家狂言は、その親しみやすさと味わい深さから「お豆腐狂言」と呼ばれている。

「清水」は、狂言の〝有名人〟太郎冠者が大活躍する人気曲。お茶の会で使う水を野中の清水に汲みに行くよう主人に命じられた太郎冠者。「清水に鬼が出た」と嘘をついて逃げ帰ってくる。太郎冠者が置いてきた、秘蔵の手桶を惜しがる主人は自ら清水に探しに行くと言い出す。困った太郎冠者は、先回りをして、鬼の面を被って主人を脅かすのだが…。

「濯ぎ川」は、昭和二十七年に劇作家の飯沢匡が描いた新作狂言の名作。毎日、嫁と姑にこき使われる養子の男の抵抗の物語。

茂山千五郎は、今公演に向けて「狂言は、昨今の喜劇やコントのように、抱腹絶倒をするほどの演劇ではありません。しかし、人間の性格や本質を面白おかしく描き、観ているお客様がほのぼのと和んでもらえるような演劇です。喜劇・狂言を観てもらい、ほのぼのと、暖かく、元気になっていただきたく存じます」とメッセージを寄せている。

市民劇場の会員になると、年六回演劇を鑑賞できる。入会金は二千円、月会費は一般二千五百円、大学生千円、高校生以下五百円。毎回昼公演(午後一時半から)と、夜公演(午後六時半から)がある。

例会は会員の手で運営され、俳優やスタッフとの交流会もある。

問い合わせは、事務局(市内三ノ八緑橋ビル一号館二階・TEL23―1655)へ。