ギャラリーシーズ(久木佐知子代表・市内旭町二ノ三)で「磯部昌子 油彩展」が二十三日(水)まで開催中だ。

“花の画家”として知られる磯部は一九四一年(昭和十六年)、千葉県生まれ。一九六八年、二科展入選。 西村龍介に師事し、一貫して花をテーマに描き続けている。

ギャラリーシーズでの個展は二十年ぶり。物語を感じさせる「ゴンドラの詩」「華やぎの森」「コスモス」など新作二十五点を展示している。美瑛や富良野に取材した作品もある。

初日の十一日、会場でトーク&パーティーが開かれた。久木代表とのトークで磯部は、結婚して子どもを産んでから絵を習い始め、画家になろうと考えたこともなかった、などと画家としての出発について、また師の西村龍介の厳しい指導ぶりについて話した。

また、「コスモス」について、阪神淡路大震災の年の秋、神戸の阪急百貨店で開催した個展の折の秘話も披露した。「コスモス」の絵の前で泣き崩れる女性がいた。震災で亡くした幼い娘がコスモスが大好きだったこと。二人でよくコスモスを見に行ったこと。画廊になど入ったことはないのに、コスモスの絵に引き入られるように入ったこと。絵の中の道を行けば娘に会えるかなと思って涙が止まらなくなったこと。そんなエピソードを語り、涙を拭く場面も。

午前十一時から、午後六時半まで。火曜日は休廊だが、二十二日は開廊している。問い合わせは、ギャラリーシーズ(TEL53―8886)へ。