小熊秀雄賞フォーラム二〇一八「しゃべり捲くれ」が十二日午後、旭川トーヨーホテルで開かれた。優れた現代詩集に贈られる第五十一回小熊秀雄賞の該当作がなかったことから、賞を主催する市民実行委員会(橋爪弘敬会長)が企画。会員ら約五十人が集まった。

選考経過が報告された後、旭川工業高校放送局が制作したドキュメンタリー「しゃべり捲くれ―時代を語る詩人」が上映された。旭川ゆかりの詩人・小熊に焦点をあて、市民実行委員会の活動も丁寧に取材した作品。上映後、会場から大きな拍手が送られた。

記念講演は、前回の第五十回小熊賞を受賞した山田亮太さん(35)。旭川生まれで、現在は東京でサラリーマンの傍ら、詩人として活動している。

講演は、「しゃべり捲くれ」の暗唱で始まった。言論統制が強められる時代、沈黙する詩人たちを鼓舞した小熊の代表作だ。山田さんは、詩の中の「四人の女は/優に一人の男をだまりこませる程に/仲間の力をもって、しゃべり捲くるものだ」の表現が、いつも気になるとして、「最近の、ハッシュタグ ミートゥーに通じるものがあると感じる」と話した。

山田さんは、小熊の長編叙事詩「長長秋夜(じゃんじゃんちゅうや)」や自作の詩を表現力豊かに朗読し、拍手を浴びた。