「リニューアルして五年を迎えたので、将来の子どもたちのために役立ててもらいたいと思い、ユニセフに寄付しました」と地元密着人情銭湯・フタバ湯(春光七ノ五)の加地経郎さん(58)。

大改築して五年目を迎えた一日、フタバ湯は、お世話になった地元の人たちへの感謝の気持ちを込めて、「売上はすべてユニセフに寄付します」と宣言し、入浴料金を大人百円、子ども無料にした。

フリーペーパーで告知したこともあって、春光地区に限らず、東光や豊岡、神居地区からもやってきた家族連れなどの入浴客は、大人百二十五人、子どもを含めると百六十人余りにのぼった。

「普段の三倍のお客さんが来てくれました。五年前と比べ、段々客数が減ってきていたので、休む間もなかったけど、とても嬉しかったですね」と笑顔で話す。

この日の売上一万二千五百円は八日、郵便為替で日本ユニセフ協会に振り込んだ。加地さんは、これまでもユニセフに寄付をしてきた。

「気が向くと何回か寄付したが、今回のような企画は初めて。この歳になり、飢餓に苦しむ世界の子どもたちのことを映し出すテレビを観たりすると…。五月はこどもの日もあることから、思いついたんです」と話す。

こどもの日の五日、男・女の湯船にそれぞれ二十五個ずつの小さな金魚を浮かべてプレゼントする企画に子どもたちは大喜びだったという。