旭山動物園内の「循環型農園」で五月二十六日、農園開きがあり、田植えや野菜の苗植えが行われた。

この農園は二〇一〇年(平成二十二年)、北海道コカ・コーラボトリング(本社・札幌)と旭山動物園が中心となり、企業や学校などの協力団体が集まって開墾した。高校生を中心に、子どもたちがコメや野菜を育て、収穫物を動物の餌にする。動物の排泄物から堆肥を作り、それでまた野菜を作るという循環を学ぶ。初年度はほとんど作物がとれず、農薬を使わないためキャベツなどは全部虫に食われるなどしたが、近年は立派な野菜、コメが収穫できている。

当日は旭川実業高と旭川農高からそれぞれ八人の生徒が、また拓殖大学北海道短大からも八人の学生が参加。二十平方㍍ほどの畑に、ナス、ピーマン、トマト、長ネギ、ジャガイモ、キャベツ、スイカ、カボチャなどの苗を植えた。また十平方㍍ほどの田んぼには、「きたくりん」の苗を植えた。

ニンジンの種も後日まくことになっている。セリ科の植物であるニンジンの葉には、アゲハチョウが卵を産み付ける。卵は動物園内のこども牧場で育てて、来園した子どもたちが観察できるようにする予定だ。

坂東元園長は、あいさつの中で「私たちは土がないと生きていけません。秋の収穫まで、天気や気温がこれまで以上に気になったりすることでしょう。この農園での経験を、今後食の問題などを考える際に役立てて下さい」と話していた。