旭川文学資料館(常磐公園常磐館内)で「朗読と音楽」の催しが開かれ、定員を超える六十二人が集まった。

 朗読は塩尻曜子さん(井上靖ナナカマドの会理事)が宮澤賢治の作品「イーハトーヴ童話 注文の多い料理店」序文と「猫の事務所」、「よだかの星」の三作を読んだ。

 ゆるやかな口調の朗読に、目を閉じて聞き入る人、文章を目で追う人、それぞれが賢治の世界に浸った。

 オカリナ奏者の竹本朱美恵さん(ライリッシュ・オカリナ連盟認定講師)が「北の国から」「待ちぼうけ」、「翼をください」、「さとうきび畑」など六曲を演奏。静寂な会場に透き通るような音色が流れた。

 同館での「朗読と音楽」の企画は初の試み。東延江館長は「同じ建物の中に放送大学があるので、音の出る企画は控えていました。今回大学の講義がないため、開催してみようと…。こんなに多くの市民に集まっていただき、たいへん嬉しい。今後、定期的に開催し、この文学資料館の存在をより多くの市民に知っていただく機会にできたらと考えています」と話した。