旭川大学高校(阿部敏校長)は、十年前の創立百十周年記念事業で埋設したタイムカプセルの発掘を一日、同校グラウンドで行った。卒業生と、新旧職員など約二十人が見守る中、作業が行われた。

 同校が創立百二十周年を迎えたことから記念事業の一環として行われた。

 当時の全校生徒は五百四十人。タイムカプセルには、在校生と教員らが「十年後の自分へ 未来へのメッセージ」と題し、一人一枚ずつハガキに書いて、二〇〇八年九月十一日の体育祭の時に埋めたという。

 発掘式には、旧職員二人、卒業生三人が出席。冒頭、阿部校長が「どういうカプセルが埋まっているか楽しみです。当時のことを思い出しながら発掘してください」とあいさつ。続いて同窓会長で、創立百二十周年事業協賛会の深田和英会長が「未来のメッセージ通りに、夢を実現させているか楽しみです。これを契機に同期の絆を深めて、母校との橋渡しをしてください」と話した。

 このあと、十年前の卒業生がスコップを使ってカプセルを掘り出した。卒業生は、自分が書いたハガキを見つけ、何度も読み返して笑顔が広がった。

 記念のメッセージを読み上げた卒業生代表の大沼貢さん(28)はハガキに「十年後は結婚していたら良いな。先生と一緒に酒を飲んでいるかな」などと書いてあった。大沼さんは「書いてあるような人生を歩んでいます。今でも担任だった山下先生とは連絡を取り合っています」と笑顔だった。

 卒業生三人は、十年前のハガキを読んで照れくさそうにしながら、当時の思い出話に花を咲かせていた。