旭川東高音楽部が第七十一回全日本合唱コンクール全国大会(二十七日・長野県)に出場する。今月六日には、NHK全国学校音楽コンクール(Nコン)にも出場している。音楽部では初の合唱二大コンクール出場の快挙だ。

 生徒が指揮と伴奏を務め、生徒たちで演奏を作り上げるNコンでは銅賞(二校)を受賞した。全日本コンクールは三年生にとって最後のステージだ。部員たちは「悔いなく歌いたい」と張り切っている。

 旭東はNコン予選で道北地区と道ブロックで一位になって、十二年ぶりに出場した。また、全日本予選の全道大会では優勝し、十八年ぶりの全国出場を決めた。

 Nコンでは課題曲「ポジティブ太郎~いつでも始まり~」、自由曲は女性詩人の茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」を歌った。リハーサルは良くなかったが、本番ではテンションが上がった。「今まで一番良い演奏が出来、笑顔で終われました」と松山未佳部長(三年)。出場十一校中、金、銀賞(各一校)に続く、銅賞に選ばれ、音楽部としては初の全国入賞を果たした。

 音楽部は、二年前に顧問だった教諭が産休に入り、伴奏も指揮も生徒が担当することになった。立場の違い、上下関係がなく、部員同士が自由に意見を出し合いながら、一つの演奏を作り上げてきた。

 時には、練習を止めて四パートともに細かいところまでこだわって練習した。指揮の田畠祐一さん(三年)は「歌い手の良さを引き出すことだけを考えてやってきました。全日本では周りの人たちに、良かった、いい演奏だったと言ってもらえるような演奏がしたい」と意欲を語る。

 全日本は課題曲が富山民謡の「まいまい」。自由曲はNコンと同じ曲を歌う。

 テナーのエース格だった二階堂龍雅さん(三年)が大学受験で出場できなくなり、他のパートから補う。松山部長は「Nコンでは自由な音楽性が評価されました。田畠の音楽作りにセンスがあり、やらされる音楽でないものを求めて、自分たちで考えながらやってきました。全日本では、三年間培ったことに、感謝を込めて悔いなく歌いたい」と完全燃焼を誓っている。