旭川大学短期大学部教授の椎名澄子さんの彫刻展「風のうたを聴く」が二十六日(月)まで、ギャラリーシーズ(市内旭町二ノ三・久木佐知子代表)で開かれている。

 椎名さんは一九七二年(昭和四十七年)、札幌生まれ。東京芸大彫刻科卒、同大学院修了。現在は旭大短期大学部幼児教育科の教授を務めながら彫刻制作に取り組んでいる。ブロンズ彫刻家としては珍しい、一点制作が特徴。札幌を中心に個展や収蔵も数多く、“彫刻のまち旭川”の次代を担う気鋭の具象彫刻家だ。

 旭川では初となる本格的な個展には、少女を表現した作品を中心に、新作四点を含め十七点が展示されている。

 十日午後、会場でギャラリートークが行われた。東京芸大の先輩で、彫刻家・寺田栄道教育大旭川校名誉教授が進行役を務めた。集まった三十人を前に、椎名さんは、子どもの頃は保育士になりたかった。子どものお絵かきを勉強しようと美術科のある高校に進学した。東京芸大油絵科を目指して一浪目の夏、美術館でイタリアの彫刻家、ファッツイーニの作品を見て〝彫刻はライブなんだ〟と感動し、針路を彫刻家に変更。三浪して入学した。芸大で師事した山本正道教授がイタリアに留学した折、ファッツイーニに学んだことを知り、「勝手に運命的な出会いなんだろうなと思った」などと彫刻家を志した頃のエピソードをユーモアを交えながら話した。

 寺田教授(左)が今後の展望を尋ねると、「空気感を表現するのは小さな作品は難しい。大きな作品を時間をかけてじっくり作る機会、空間をぜいたくに使える発表の場があればいいなと思っている」と答えた。

 問い合わせは、ギャラリーシーズ(TEL53―8886)へ。