旭川西高の演劇部が十一月二十五日、市公会堂で「小熊秀雄『飛ぶ橇』をめぐる三月」を上演、集まった百人の観客から大きな拍手を浴びた。

 公演は、ロータリー商店会(海老子川雄介会長)が開いたイベント「イドバタ」の出し物の一つとして行われた。

 脚本を書いたのは演劇部顧問の片山陽夫教諭。今年一月、小熊秀雄賞市民実行委員会が主催する朗読会で、小熊の代表的な叙事詩「飛ぶ橇―アイヌ民族の為に」を群読した体験をベースに、進路や恋愛や部活動にまつわる高校生らしい悩み、友情、そして歴史や文化について、ユーモラスな場面を交えながら演じた。

 最後の場面では、喫茶ブラジルで行われた一月の群読を再現するように、セーラー服姿の七人が迫真の朗読で「飛ぶ橇」の終章を読み切った。

 この舞台で演劇部を引退する部長の竹村瑠々伽さん(18)は、「全道大会は全然ダメでしたが、今日は楽しく演じられました。飛ぶ橇の朗読は何回も繰り返してきました。これで、すっきりした気持ちで引退できます」と目を潤ませながら話した。