旭川市内のアマチュア劇団「グループ劇天壌」(石井ひろみ代表)が三日、青雲小(薮和幸校長)で、こども講談「昔屋話吉おばけ話」を演じた。リズミカルな語りと、迫真の演技が、子どもたちの心をつかんだ。

 グループ劇天壌は、一九八九年(平成元年)に発足。市民文化会館での一般公演や小・中学校での公演、最近は市民文化会館主催事業「夢てんと」などへの出演と、三十年にわたって地道な活動を続けている。

 今回の公演は、石井代表と団員の山田さなえさんが、今月十三日からプライベートでベトナムに出かけ、十八日に友人が勤務するホーチミン市内にある日本人学校(全校生徒四百八十人)の五、六年生百六十人に、この作品を見せる。その公演の前に、一度地元の子ども達にも、ぜひ観てもらいたいと実現した。
 五、六年生の児童五十一人を前に、山田さんが裃(かみしも)をつけ、講談師に扮して張り扇で釈台を叩いて怪談話を披露。石井さんは、その音響効果を担当。太鼓で雪の音、箱に小豆を入れて波の音を表現するなど、二人の息はぴったり。子どもたちは、食い入るように見入っていた。

 話を聞いていくうちに、子どもたちの表情が怖そうな顔になったが最後に意外な落ちがあって笑顔が広がった。公演後は、「次の話が聞きたい」という声が上がるほど。児童は小道具を手にとって見るなど、楽しいひと時を過ごした。

 児童会の小林路唯会長(六年)は「初めて観ましたが、音がリアルで良かった。怖かったり、びっくりしたところもあったけど、楽しかったです」と笑顔で話した。