教育先進国の北欧に「創造性教育」を学ぼうというワークショップが十三日、ときわ市民ホールで開かれた。地元の出版社、ミツイパブリッシング(中野葉子代表)の主催。講師は、東海大学名誉教授で、スウェーデン在住の川崎一彦さん。閉鎖された東海大学旭川キャンパスでも教壇に立っていた。

 単純労働や肉体労働がロボットやAIに取って代わられる時代。知識基盤型の社会で必要とされるのは、変化の激しい社会で自ら問いを立てたり、正解のない状況で自ら課題を見つける力だ。創造性教育を日本に紹介した川崎先生に、その基礎を学ぼうと言う集いには、主婦や主夫、公務員、教員、経営者など様々な職種の約四十人が参加した。

 ワークショップの到達目標は、①いま、なぜ創造性が大切かを再認識すること。②創造性は生まれつきではなくトレーニングによって育成することが可能だということを体験する。そして、③創造性を活用して何をやるか、次のステップ、アクションプランを考えること。

 途中でスウェーデンから来道して、当別町にあるスウェーデン交流センターで働いているソフィア・ヤンベリさん(25・女性)が、「インスピレーショントーク」を行い、スウェーデンでは大学までの教育費が無料、転職がしやすくいつでも大学に戻れる、学校や職業で失敗しても社会がサポートする仕組みがある、四十歳代の大学生は珍しくない、などの話を流暢な日本語で紹介した。

 ワークショップは、五~六人のテーブルに分かれて、「利き手ではない方の手で、ペアの似顔絵を描く」、「傘の使い道を出来るだけ考える」、「三つの自己紹介をして、そのうちの一つはウソの話にする」など、グループのメンバーを知ることからスタートした。

 川崎先生は次のような話をした。

 ――「課題先進国ニッポン」を「課題解決先進国ニッポン」に持っていく必要がある。黙っていてもならない。我々一人ずつが努力しないと「課題解決先進国ニッポン」にはならない。スウェーデンから見ていると、スウェーデンに比べて日本、北海道は元気がない。その理由は、企業の時代への歴史的転換の立ち遅れである。七〇年代、「ジャパン アズ ナンバー1」とか言われて浮かれていた。日本がナンバー1であったのは、工業の時代、自動車とか家電の一部だった。その間に、先進国は「知業」、知識産業に移行していて、教育とか社会システムも日本は、移行できなかった。今でも出来ていないということです。

 参加者たちは三時間にわたって、創造性教育を体験し、学んだ。