「農家の酒」のお披露目会が二日、高砂酒造で行われた。「すべて旭川の素材で、日本一うまい酒を造ろう」を合言葉に二〇一二年春、旭川と地酒を愛する市民が立ち上げたプロジェクト。田植え、稲刈り、酒造りの工程に、会員が自ら関わる。

 この日集まった八十人の会員が、搾ったばかりの新酒を詰めたビンにラベルを貼る作業を行った後、お披露目会が始まった。ラベルのデザインは、旭川を拠点に活動するデザイナーのあべ路子さんの手による。毎年変わるラベルのデザインも楽しみの一つだ。

 プロジェクトの代表で、農業法人・請川ファームの請川幹恭さん(44)は「二〇一八年度産のコメは、天候のせいで収量も、品質も良くなかった。杜氏さんは苦労したと思う。今日は、どんな酒に仕上がっているか楽しみです」と話した。

 森本良久杜氏は、「たん白が多いコメの味が出ないよう気を付けた。本来の、すっきりした、口当たりのいい酒に仕上がったと思う。今日、みなさんがどう評価してくれますか」と自信の表情だった。

 お披露目会は、会員の子ども二人も加わって鏡割りでスタート。農家の酒の酒粕を使った粕汁や粕漬けなどを肴に、新酒を味わった。

 純米吟醸「農家の酒・生酒」は、限定五百本の販売で、すでに完売。「農家の酒・火入れ酒」は、一・八㍑入り三千二百四十円(税込)で、四月一日から、市内をはじめ全国の酒店などで販売される。問い合わせは、高砂酒造(TEL23―2251)へ。