世界的に導入が進められている食品の衛生管理システムHACCP(ハサップ)に対応した飲食店を認定する「食の安全・安心五つの星事業」が今月一日から、旭川地方食品衛生協会(中川竹志会長)の主導でスタートした。

 十五年ぶりの食品衛生法改正で、食品業者にハサップ基準に沿った衛生管理が義務付けられたため、日本食品衛生協会(東京)が昨年六月から始めた制度だ。現在全国で約百二十店舗が認定されている。制度導入は道内では旭川が初めて。

 実施に先駆けて同協会は昨年十月、「ハサップの考え方を取り入れた衛生管理研修会」を開催。市内外から飲食店経営者ら約百人が受講した。十二月に「五つの星事業」への参加を募ったところ、二十一店舗の応募があった。今年二月の説明会を経て、最終的に十七店舗が参加することになった。

 参加店は、取り扱う食材がどのように保管され、調理・提供されていったかの継続的な監視・管理や、手洗い・清掃・従業員の健康管理など衛生管理の取り組みに加え、衛生管理計画を作成し、実行・記録・確認の作業を毎日行うことが義務付けられている。五つの星とは、①衛生管理、②健康管理、③病害虫駆除、④食品衛生の講習会受講、⑤万一の事故に備えた保険加入の五分野。この五つの基準をすべてクリアして、初めて「食の安全・安心五つの星」の認証プレートを掲げることができる。

 参加十七店舗の判定は、今年十月に同協会の食品衛生指導員の中から選定された判定指導員が行う。岩部薫事務局長は「今回参加してくださった店舗の経営者は三十、四十歳代も多く、衛生管理に関し非常に積極的。全店がクリアすると思っています。来年以降も意欲的な参加店を募集しています」とPRする。

 この制度は、東京五輪が行われる二〇二〇年に義務化される。一九年の旭川保健所指導計画の中にハサップ導入の推進があり、今後、飲食店経営者には必須の取り組みとなる。認定されると、日本食品衛生協会のホームページにも掲載されるという。

 参加十七店舗は次の通り。

 ▽あさひ川井泉・二条店(二ノ七)、▽同・五条店(五ノ七)、▽蕎麦雪屋(三ノ七)、▽弐乃雪屋(三ノ八)、▽旭川お城の鯉寿し(忠和六ノ七)、▽勝政本店(豊岡八ノ七)、▽四條庵(四ノ二十五)、▽ラーメン専門 ひまわり(大雪通三)、▽麺屋くるる 忠和店(忠和五ノ六)、▽キッチン サンボ(東光十六ノ五)、▽そば菊(永山三ノ九)、▽JR旭川駅なか食堂 なの花(宮前西)、▽大八食堂(鷹栖北一ノ一)、▽旭川大吉ラーメン(北門町十四)、▽そば処 まつ庵(三ノ六)、▽らーめん耀(流通団地一ノ一)、▽旭川梅光軒 豊岡店(豊岡七ノ二)