二十一日投開票の参院選に、れいわ新選組から比例代表で立候補している安冨歩(あゆみ)氏(56)が十日、JR旭川駅前で演説した。

 東大教授で、“女性装”でも知られる同氏。白馬の「ユーゴンくん」を連れた選挙戦で話題を集めているが、旭川では道産子の「ヤムちゃん」が同行した。

 安冨氏は、「馬は犬のように言語は通じません。だから命令しても伝わらず、また、暴力を振るったとしても、思い通りには動いてくれません。しかし、敏感な動物なので、一緒に生活することで意思疎通ができるようになります。この言葉を介さずともつながる力は、人間関係でも同じように重要です。言葉だけ、まして暴力では意思など伝わりません。現代では希薄になってしまった、相手と通じ合う力を養う教育が、これからの子どもたちに必要です」と話した。

 また、今の政治が様々な理屈で、子どもの創造性を奪い、自然や伝統を壊している現状にも触れ、「政策を変えるだけでは意味はなく、政治の原理の根本を変える必要があります。子どもの望みを真剣に受け止めれば、私たちは大人として何をすべきかが自ずと見えてきます。そして、子どもの夢一つひとつがかなうことで、社会全体の大きな夢の実現につながるでしょう」と聴衆に訴えた。

 駅前での演説を終えると、聴衆からの質問にも一つひとつ丁寧に答え、その後、ヤムちゃんと共に買物公園を歩き、道行く人にも支持を呼びかけた。