「帰りに寄って行ってくださいねぇ」と銭湯・みつわ湯(末広五ノ一)の三代目・下田直弘さん(39)が銭湯を訪れたお客さんに声をかける。

 みつわ湯が昨年、創業五十周年の節目に初めて開いた露店が好評で、「今年はやらないの」と声がかかり、六月に創業祭を催した。お客さんたちの楽しそうな様子を見て、下田さんは「折を見て、露店を続けよう」と決心。今月十三日から十五日までの三連休、「焼き鳥まつり」と銘打って、銭湯の入り口横に焼き鳥といももちを売るテントを設けた。

 家族連れや勤め帰りにひと風呂を浴びたサラリーマンらが、五本、十本と買い求めていた。勤め帰りだという近所に住む四十歳代の男性は、「これを肴に帰ったらビールです。風呂上がりの一杯は美味いから」と、焼き鳥の入ったビニール袋を手に笑顔。

 銭湯内のロビーには、鷹栖町の農家から「まつりの期間中、置いて欲しい」と頼まれた、トマトや大根、ピーマン、レタスなどの野菜も並んだ。七十歳代の女性は「このトマト美味しそうね」と言いながら買い求めていた。

 下田さんは、「人手が結構かかるので大変なんですが、『あの銭湯は面白いことをしている』と関心を持ってもらうことが大事だと思っています。地域の賑わいの場になればいい」と話す。

 下田さんは、八月と九月の三連休にも、「焼き鳥まつり」を開く計画だ。