大町小学校(大町一ノ一)で五日、「大町小でみんなの宝物をつくろう♪」と題して、巨大絵画の制作が行われた。

 体育館に飾られている、第三十六回卒業生制作の巨大絵画(縦一㍍×横七㍍)が劣化・退色しており、その修繕が目的。在校生や卒業生など同校関係者のほか、大町地区の住民など五十八人が参加した。

 この絵には、当時のクラスメイト全員の姿が描かれている。参加者の中には、自分の親が描かれている部分をその子どもが色を塗り、親子二代で同じキャンバスを共有するという、それぞれにとってかけがえの無い“宝物”になった親子もいた。

 同プロジェクト代表の加藤恵美さん(38)は、「今回の取り組みを知らせるチラシを、校区にある住宅約四百軒に配って回り、多くの方と地域の未来について意見交流しました。そして、その多くの方が大町小卒業生や関係者ということもあり、『子どもたちと心近く、見守りあえる中で学ばせてあげたい』という話になりました」と語った。

 また、同校が市の計画で来年度以降の統廃合の対象校となっている話題になるとみんなが驚き、「協力できることがあればやるから」と力強い言葉もかけられたという。

 「制作する中で、参加者のみんなと大町小や地域の歴史や大好きなものを語り合えて、とても貴重な機会でした。時を経て親子が同じ通学路を歩き、同じ学び舎で育つということは感慨深いです。未来に残したい宝物に仕上がりました」と加藤さんは続けた。

 今回参加した同校の白石彩翔(あやと)くん(六年生)は「絵を描くのが好きなので楽しかったです。大町小を卒業してもこの絵を見ると、友だちや今日のことを思い出せる、本当の宝物になりました」と笑顔で話していた。