薬物やアルコール依存症からの「回復と信仰」をテーマにした講演会が二十五日(水)午後六時半から、カトリック旭川五条教会(五ノ十一)で開かれます。カトリック旭川依存症を考える会の主催です。

 講師は、山梨ダルク代表の佐々木広さん。ダルクとは、薬物やアルコール依存症から回復する施設です。山梨県は、「犯罪者」として排除の対象になってしまう薬物依存症の患者を地域が受け入れて回復の後押しをしており、「山梨モデル」として全国から注目を集めています。

 佐々木さんは一九六八年、岩手県生まれ。生命保険会社の営業職として働いていたときに、友人の誘いで軽い気持ちで覚せい剤に手を出しました。三度の逮捕、二度目の服役から出所した佐々木さんは、仙台のダルクで回復します。そして二〇〇八年、山梨県甲府市に自らダルクを設立しました。

 ダルクは、薬物やアルコール依存から回復したいと望む人たちが共同生活を送りながら、回復プログラムを行う施設。病気からある程度回復した患者が、治療初期の患者に対して治療者としての役割を果たします。お互いに支え合うことで、より効果的に回復に向かうという治療法です。

 一四年には、山梨県甲斐市にギャンブル依存症回復施設「グレイス・ロード」も設立した佐々木さんが、依存症当事者の声と、自身を救った信仰について話します。

 山梨県出身で、『福音ソフトボール―山梨ダルクの回復記―』(ミツイパブリッシング・二〇一三年)の著書があるイラストレーター・画家の三井ヤスシさんは、「芸能人やスポーツ選手の薬物問題が頻繁に報道されますが、その報道のされ方に違和感を持っています。確かに『犯罪』ではありますが、『心の病』という側面を併せもつ依存症問題。『処罰』だけでなく『回復』を後押しする環境整備が必要なのではないでしょうか」と講演会への参加を呼び掛けています。

 参加無料。申し込みの必要もありません。問い合わせは、佐藤さん(TEL090―1308―9022)へ。